/* アドセンス自動広告*/ 鍵盤打楽器の4つの基礎技術【2本マレット、マリンバ・ビブラフォン】 | 芸術家 西村弘也 / Official Web Site

鍵盤打楽器の4つの基礎技術【2本マレット、マリンバ・ビブラフォン】

打楽器

こんにちはマリンバ奏者の西村です。

ここでは私が普段行っている基礎練習をお伝えします。

前提として別途板打ち基礎練習を行っております。詳細はこちらに記載しておりますので参考にしてください。

1 綺麗なフォームで打つ技術

板打ちでは縦方向のみの動作でしたが、鍵盤打楽器は横方向の動きも必要です。

マレットの持ち方・打ち方

まず、スティックとの大きな違いに先が重くリバウンドがしにくいという点があります。このことから、指先のテクニックよりも腕の動きが重要視されます。つまり、前腕の回内回外によって打つことが基本となります。回内回外とは丸いドアノブをガチャガチャする動きです。

持つ位置

理論上リバウンドが最も取れる位置はマレットの3分の1の部分ですが、それでもほとんど跳ね返ってはくれません。そのため、リバウンドにフォーカスするのではなく、変換率にフォーカスするべきです。同じ腕の動きをしたとしても、持つ長さによって音量への変換率が変わります。

繊細な動きが必要なグロッケンなどは短く持ち、音量を出したいときは長く持つなど、状況によって持つ位置を変えましょう。

支点力点作用点について

また、リバウンドが取れる楽器は支点よりも作用点の逆側に力点がある方がいいのですが、そうではない場合は支点よりも作用点側に力点がくるように持ちます。つまり、小指側が支点となり親指と人差し指が力点となります。こうすることで自分の指でセルフリバウンドを取ることができます。

マレット同士の角度について

また、他打楽器と違う点に横軸の移動が多いということです。これによってマレット同士が邪魔になりやすいのです。それを避けるため、マレット同士の角度が90度以上になるように持ちましょう。初心者は左右のマレットを並行に持ちますが、それではお互いのマレットが干渉し素早い動きは不可能です。お互いの軌道上に入らないことが重要となります。

マレットと前腕の角度について

前述の通り、打ち方は前腕の回内回外が基本となります。これらが最も効率的なマレットと前腕の角度は90度ですが、前腕以外に負担ができてしまいます。そのため、135度程度が全体の動きが自然になりやすいです。

手の甲について

以上のことを踏まえるとマレットは手の甲が上を向きやすい持ち方になります。しかし、手の甲が上を向いた状態というのは常に前腕に負担がかかってしまいます。そのためなるべく手の甲が外側を向くようにしてください。具体的には「親指と人差し指を曲げすぎないこと」これが重要になってきます。

軌道

次の楽譜を使って縦方向と横方向への複合的な動きを理解しましょう。

基本の打つ動作は次のように分解されます。

準備動作、振り下ろし、リバウンド、リセット、横移動

BPM30〜60程度の非常に遅いリズムでは上記のように1つひとつ動作を行います。

基本的なBPM60〜100中速のリズムでは準備動作とリセットを行わず次のようになります。

振り下ろし、リバウンドしながら横移動し次の音板の上空で待機

BPM100以上の高速のリズムでは全ての動作を同時に流動的に行います。その結果、軌道がアーチを描くように打つことになります。

打つテンポによって動作が変化していることを学びましょう。

2 スケールを打つ技術

基礎練習に欠かせないのがスケール練習です。スケール(音階)とはオクターブの間をある特定のルールのもと並べられた複数の音のことです。

多くの音階が存在しますが、長音階、短音階、は必ず理解しましょう。オクターブの中には12種類の音が存在しますが、曲に使うのは7つの音にする、という考え方です。そのためこれらを覚えるだけで、難易度が7/12(58.3%)になると考えても過言ではないです。

私は中学生の頃に太鼓に憧れて吹奏楽部に入部しましたが、苦手だった鍵盤でのスケールを1年かけて覚えました。すると、譜読みをするスピードが格段上がり、音楽への理解力が上がっていくことを実感しました。

スケール練習には色々な形があります。様々な形で練習することで応用力が付きます。ここではまず、音大受験等でも使われる基本の形を紹介します。

長音階

スケール練習を行う上で必ずスケールの名前とセットで覚えましょう。ここでは、英語、ドイツ語、日本語の順で名前を記載しています。

また基本的に手順が交互になるにしましょう。最初の音は左右の手どちらでも入れるようにしましょう。

スケールハ長調から変ニ長調
スケール変ト長調からホ長調

短音階

スケールイ短調からハ短調
スケールヘ短調から嬰ト短調
スケール嬰ハ短調からホ短調

注意点

左右どちらの手からでも行うこと。

打つ場所は共鳴管の真上を狙うこと。

重心移動を行うこと。

他の形を紹介します。

3 アルペジオを打つ技術

アルペジオ(分散和音)とはコード(和音)の構成音を分けて演奏する方法です。

これを練習することで、曲中のアルペジオに対応できるだけでなく、メロディや曲の理解が深まることで表現力が上がります。

また、複数の音を1つにまとめることができるため、脳に使う容量を圧縮できるメリットもあります。

アルペジオも様々な形が想定されますが、まずは転回形を含む次の形がおすすめです。

アルペジオ転回形含む

アルペジオCからD♭
アルペジオG♭からG
アルペジオAmからB♭m
アルペジオE♭mからEm

4 重心移動をする技術

マリンバは身体よりも大きな楽器のため、足の使い方も重要になってきます。

2オクターブ程度であれば足の位置を固定したまま重心移動を行います。低音側は左足に重心を置き、高音側は右足に重心を置きます。

重心が置かれた足は膝を曲げ、つま先側に体重を乗せます。反対側の足は膝を伸ばし体重を抜きます。この時、蹴り上げるのではなく、重心側の足の力を抜くことで勝手に重心が移動します。

ここでのコツは「おヘソの前で打つ」ということです。これを意識するだけで重心移動をせざるを得ません。つまり、腕だけを伸ばして打つことや、腰をひねって打つことは原則しません。

注意点として、重心移動した時に高さが上下しないようにしましょう。外側の音は片膝を曲げますが、重心が両足の中心の時の膝はどうでしょうか。膝を伸ばしてしまうと中心の音は背が高く、外側の音は背が低い状態となり、音のムラがでてしまいます。つまり、両足の中心で打つ時も軽く膝を曲げてことで、高さを一定にしながら重心を移動することができます。

2オクターブ以上の重心移動

およそ2オクターブ以上の跳躍では足の位置を変える必要がでてきます。変え方は2つあります。

  1. 進行方向とは反対の足に重心を乗せ、進行方向の足を広げる、進行方向の足へ重心を移し、反対側を閉じる
  2. 足を交差させ歩く

1番は素早い移動をすることも一定の速度で移動することも困難です。そのため2番を私は基本的に使用しています。

2番で歩くときにつま先を前に向けたままにしましょう。上半身がブレないようにするためです。

まとめ

板打ちでは、縦方向のみのフォームやテクニックを学ぶ必要がありますが、鍵盤打楽器では横方向の動きが大切になります。また、音楽理論も必要となりますので、一緒に学んでいきましょう。

4本マレットの基礎練習は次の記事から学べます。

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